怪盗ブログ

姿は違うが走り方があたしと同じだった。



……同業者。



間違いない。十星だろう。


一瞬、大貴の言葉が頭に浮かぶ。


けれど足は止まらなかった。






音もなく走る男を音もなく追う。

人気のない狭い複雑な路地をいくつも抜けた。



捕まえるのはまだ早い。

もっと美術館から離れた場所まで……






寂れた大きな公園に入り、桜並木の中で十星は突然姿を消した。


と思った次の瞬間、





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