怪盗ブログ
十星は何も言わずに、悲しげな眼であたしを見る。


その手にはティアラがあった。


それを見つけた瞬間胸が急に苦しくなって、思わず言った。


「ちょうだい」



十星は少しだけ笑って、あたしの頭にティアラを載せた。



次の瞬間、強い風が桜を散らして十星を隠し、それが止むとそこにいたのは十星ではなく大貴だった。



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