怪盗ブログ
皆を玄関まで送ると、大貴はあたしの部屋にやってきた。



「病院、いくの?」


沈黙が出来る前に聞いた。


しかしやはり沈黙ができて、しばらくして大貴が口を開いた。


「何で」


「何であのまま戻ってこなかった」




あたしは喉を押しつぶされたようになって何も言えなかった。


大貴怒ってる……。



「おまえを見つけた時の俺の気持ちがわかるか」


鋭くあたしを見据える大貴から眼を逸らせない。
その目は怖くて、どこか悲しげだった。



「ごめ…なさい……」




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