怪盗ブログ
やっと声を絞り出す。



椅子に腰かけていた大貴は立ち上がってベッドに座り直した。


そしてあたしのパジャマの襟をずらして、鎖骨の辺りを黙って見つめた。


どきっとした。



十星があたしにしたことを思い出す。


「そ、それは」


あたしが慌てると、大貴は痕があるであろう場所に口づけた。



「……病院は、これが消えてからだ。

明日には消えるだろ」

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