怪盗ブログ
―――火曜日、朝
「あの花どうしたんだ?」
病院に向かう車の中で聞かれた。
昨日考えておいた嘘をつく。
「夜トイレに起きたらベッドの横に落ちてたの。部員の誰かが持ってきてくれたんじゃないかな?」
そう言うと大貴が笑った。
「どうして笑うの?」
「あの花、見舞いに持ってくるには変わってるなーと思ってさ」
「ああ……それもそうだね」
「花言葉知ってるか?」
「知らない。あの花の名前知ってるの?」
ハンドルを握る大貴のきれいな横顔を見る。
「エンゼルランプ」
「可愛い名前だね。確かにランプみたいだし」