怪盗ブログ
けれど。


『千季ちゃんの為だよ』

『"あなたを守りたい"』



あたしの腕を折って笑っていたあの男。

2つの言葉の置き所がわからない。



もう会いたくない。


でもあたしの想いとは裏腹に「また会うことになる」と、あたしの何かが告げている。

住んでる場所も知られてるし、ね。


もしかしたら、ティアラを手に入れるチャンスがあるかもしれない。
そう前向きに考えるしかない……

……そうだ。



「ティアラ」


「どうした?」


「ティアラは十星が持ってるんだよね?」



「だろうな。あいつが盗んだんだから」



「そうだよね」


夢のことを思い出した。
あたしの頭にティアラを載せる十星。


忘れられないあの夢。

不思議と、ただの夢ではない気がした。
だからどうしても心がざわつく。

どうしても、気になってしまう。



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