怪盗ブログ
おばあちゃんは裏庭で花の手入れをしていた。
「おばあちゃん!」
振り向いたおばあちゃんの後ろにある花を見て驚いた。
「あら千夏いらっしゃい」
そう言って笑うおばあちゃんの後ろには、十星が持ってきたあのエンゼルランプが花を咲かせていた。
「その花……」
「うん?どうかした?」
「あ、えっと、昨日お見舞いで貰ったから」
おばあちゃんは少し驚いたような顔をして
「へぇ、最近この花持って見舞うのが流行ってるのかねぇ」
そう言って笑った。
あたしも驚いた。
「え、そうなの?」
それが本当なら、十星がエンゼルランプを持ってきたことにも納得がいく。
「昨日の夜、千夏と同じくらいの男の子が来たのよ。
『その花をお見舞いに持って行きたいんだけれど、この辺りに売ってる店がないから少し分けて頂けませんか?』って」