怪盗ブログ
寮に戻ると大貴はでかけていた。
『急用。明日には戻る』
というメモと、携帯にもメールで同じ内容が届いていた。
(怪我人置いて行くかな……)
そう思う自分と、少しホッとする自分がいた。
大貴が用意して行ってくれたオムライスを食べながら、急用って何だろうとぼんやり考える。
少しだけ気が紛れた。
食べ終わると、洗いものくらいはできるかなと思い挑戦してみた。
しかし上手く洗えない。
イライラしていると後ろから手が伸びて、皿とスポンジを持つあたしの左手を掴んだ。
「大貴!」