怪盗ブログ
「うーん……」
「あたしは知りたいから聞いてるの」
朝から苛々する。
(何が『うーん』だよ)
「そんなに、」
「そんなに俺のすることに興味があるの?」
「……は?」
何を言ってるんだ。この男は。
「俺が君の王子様になれる日も近いかな」
「……」
むかつく。
こいつ絶対話逸らそうとしてる。
あたしは足を早めた。
「あ、千夏?ちなっちゃん!」
急に広がった距離に反応する高瀬君こと十星。
「ついてくんなこのキス魔」
精一杯の悪口。
他に思い付かなかった。