怪盗ブログ

「うーん……」


「あたしは知りたいから聞いてるの」


朝から苛々する。

(何が『うーん』だよ)


「そんなに、」

「そんなに俺のすることに興味があるの?」


「……は?」

何を言ってるんだ。この男は。


「俺が君の王子様になれる日も近いかな」


「……」

むかつく。
こいつ絶対話逸らそうとしてる。


あたしは足を早めた。


「あ、千夏?ちなっちゃん!」


急に広がった距離に反応する高瀬君こと十星。


「ついてくんなこのキス魔」


精一杯の悪口。
他に思い付かなかった。



< 90 / 263 >

この作品をシェア

pagetop