『遠距離恋愛のしかた』
一台は、真っ白で車内が外からは確認できないくらいに真っ暗で…
もう一台は、全てが真っ黒…
そして、二台に共通することは、地面を這って走っていくような車高の低さと、マフラーからは、耳を塞ぎたくなるくらいの音を響かせていた…。
街中で見たら必ず避けて通りそうな車…。
絶対怖そうな人が出てくるんじゃないか…って勘違いしちゃいそうで…。
そう…二人の趣味は車…。
車は走れれば問題なしと考えてる私には、到底理解できない車だった。
車に呆気にとられていた私をよそに、美希はさっさと莉央の車の方へと小走りに近づいていった。
えっ?
それぞれに乗り込むの?
やっと事態を飲み込んだ私の隣には、何故かニコニコ顔の信平がいた。