『遠距離恋愛のしかた』

一台は、真っ白で車内が外からは確認できないくらいに真っ暗で…


もう一台は、全てが真っ黒…


そして、二台に共通することは、地面を這って走っていくような車高の低さと、マフラーからは、耳を塞ぎたくなるくらいの音を響かせていた…。



街中で見たら必ず避けて通りそうな車…。


絶対怖そうな人が出てくるんじゃないか…って勘違いしちゃいそうで…。



そう…二人の趣味は車…。


車は走れれば問題なしと考えてる私には、到底理解できない車だった。









車に呆気にとられていた私をよそに、美希はさっさと莉央の車の方へと小走りに近づいていった。



えっ?


それぞれに乗り込むの?




やっと事態を飲み込んだ私の隣には、何故かニコニコ顔の信平がいた。






< 5 / 48 >

この作品をシェア

pagetop