patchwork stories
(短編寄せ集め)
「……お兄ちゃん?」
まどろみがかった瞳がボクを映していた
細い声でボクを呼んだ
恐る恐るキミを見つめるボクの手を、
小さな白い手がぎゅっと握りしめる
「お兄ちゃん……」
小さな頃から変わらない
甘えん坊で泣き虫で、
でも人一倍優しいキミが、
「お兄ちゃん……ずっと大好きだよ」
ボクの手を引き寄せる
しゃがんで近付いたキミの大好きな笑顔を、
「ボクもだよ」
優しく強い力で抱き締めた
そして、穢れない瞳から落ちる綺麗な雫に贈る
最初で最後の
「愛してる……」
キミというタカラモノに……