曇天の先に
光が溢れて


空が一気に黒くなった。
黒い雲が押し寄せて、青空を飲み込んでしまったから。
よくある風景なのに、都会の人たちは大騒ぎする。
「不気味な黒い雲」とか、「異常気象の象徴か!?」だって。
笑っちゃうよな、ホント。


田舎にとっては惠の雨。
晴天で干からびちゃいそうな陽射しの後の雨。
緑の海になった田には、雨が必要なんだ。
しかも、少しだけ暑さが和らぐ気がする。これも結構貴重。


雲が過ぎたら、またすぐに陽は照る。眩しいくらいの青空に、真っ白な雲、緑の広がる田、蝉の声・・・
キャンパスに描かれた画みたいにくっきりとした風景。
俺、夏は嫌いだけど、この瞬間は結構好きかも。


曇天の先イコール眩しい夏。


そんな方式に気付いた、夏の風景。


END

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