かえりみち
第一章
それは

吐く息さえも真っ白な

冬の訪れと共に贈られてきた

大切な
大切な
宝物だった。

153cmの小さい体には
到底似つかない

とても力強く

とても人懐っこい

そんな笑顔を持った

優しい
優しい
女性だった。

その宝を持っていることで
真っ白だった俺の日常は

文字通り
「彩り」を得ていった。

日々を何となく泳いでいた俺に

波風を立たせ

「しっかりしろ!」

って
蹴り飛ばしてくれた

それが彼女だった。
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