ホストＶＳアタシ

｢好き…｣

流也さんは、アタシを抱きしめた。
すると…夜斗の声が聞こえた。

｢ねっ、夜斗。今度一緒にさぁ…｣

｢あ～、悪い！枕はやんないんだわ｣

枕？枕って…何？
考えながら聞いてると流也さんが、いきなりアタシの耳を塞いだ。

『え？あの』

｢駄目。聞いちゃ｣

けれど流也さんの指の隙間から聞こえてた。そして見えてた。
｢夜斗…｣

夜斗と女の人が深いキスをしていた。

どん底に落ちたような気がした。
涙が滝になった。
流也さんは、ただ黙ってアタシの頭を撫でてくれた。

『―ッ…ぅっ…』
｢大丈夫…大丈夫｣
流也さんの指でアタシの涙は消えていった。
何度も流れる涙を何度も拭ってくれた。
どうして…こんなにも涙が溢れるのだろう？夜斗が誰とキスしたっていいのに…