【短編】Love through all eternity
ハッとして目を開けて見上げた先には、真っ直ぐに私を見下ろす冬威の僅かに憂いを帯びた表情。
「……冬威、気付いてた…の?」
「陽菜のことは、俺が一番わかってるし?だから……」
“本心で俺がキライって言うんなら離してやるけど、……どうする?”
不意に落とされた影と同時に、耳許で告げられる究極の選択――…
予期せず、心の奥底に隠した感情が一気に騒ぎ出すのを感じた時には、
「私は……
―――冬威が好き……」
……溢れていた、本音。
咄嗟に両手で口を抑えてみても、もうムダで……
「それじゃ、遠慮なくいただきますかね?」
嬉しそうに微笑む冬威に抱き締められたら、その熱に翻弄されて溶かされていくばかり……
「陽菜、……好きだ」
「……ん、私も好き――…」
冬威の温もりの中、抑えていた感情を認めてしまった私は、何もかも……
星野サンのことさえも忘れて、
冬威だけを感じていた――…