【短編】Love through all eternity
「遅かったね?」
「…ッ、なんでココに……?」
まったく噛み合わない会話が、
私が平静でいられてない証拠で、星野サンの声音も心なしか突き放すようにも聞こえてくる。
気付いた時には、玄関から部屋へと続く細い廊下へと近付いてくる星野サンから逃げるように、擦れ違うようにしながら距離を取って部屋の奥へと向かっていた。
「……香水、」
「え……?」
「男物の香水の匂いがするんだけど、……移り香?」
「………ッ、」
誤魔化しようもない、きっとそれは……冬威からの移り香で、間違いない。
どうやって隠そうか……
そう思ってしまう心とは裏腹に口から滑り落ちる言葉は、
謝罪でも言い訳でもなく、
「冬威と抱き合ったから……」
……紛れもない真実だった。