【短編】Love through all eternity
『元カレを忘れなくてもいい――…』
その言葉に甘えるように付き合い始めて、半同棲とも言えるくらいに星野サンの部屋に入り浸っている私。
……冬威のことが、嫌いで別れたわけじゃない。
誰がどう見ても完璧すぎるくらいに何でもソツなくこなして、それがまたカッコよくて。
そんな冬威の周りには常に女の人がいて、イチイチそれに嫉妬している私がいた。
好きだから苦しくて、それが辛くて冬威から逃げたのに。
冬威を忘れたいのに、忘れられないでいる――…
今も、映画デートから星野サンの部屋へと帰ってきて、二人でノンビリと寛いでいたのに。
あたたかくて、ふんわりと優しい気持ちになれるような、そんな空間。
……でもそれは、私の携帯の着信音が鳴り響いたことで、終わりを遂げてしまった。