初恋
帰りの会が終わってから先生に呼び止められた。



「林、放課後この資料作っておいてくれ。明日みんなに配るんだ。」



「…はい。」



私は紙の束とホッチキスを受け取った。



紙の束の厚さ…ざっと2cmくらい。



一人でできるかなぁ。



そう思いながらも私は一人でやる。



海村に声かけたくないから。



「はぁ……」



私はため息をついた。



「やるか。」



私は自分の席に戻ろうと振り返った。



ドンッ!



誰かにぶつかった。



「ゴメン…。」



誰にぶつかったのかと顔を上げると



そこには海村がいた。



海村は黙って私が持っている紙の束を持って



自分の席へと向かった。



「手伝ってくれるの?」
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