初恋
ずっと待っていたんだ。



私の目からは自然と涙がこぼれていた。



「私も…」



鼓動が早くなる。



「好きです!」



海村の背中に腕をまわして



顔をぎゅっと押し付ける。



海村の鼓動が聞こえる。



彼の鼓動も私と一緒。



速く激しく鳴っている。



「おい。涙冷てぇよ」



私は泣きながら抱きついていたから



海村のシャツが涙で濡れてしまった。



「ごめん…」



私は顔を離したけど



海村は手だけは離さなかった。



「離してよぉ…」



「まだ、ダメ。」



そういって海村は顔を近づけてきた。



私はそっと目を閉じた。
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