不良×依存症
望まない再会
* *
「ウーロンハイに、カルピスハイも飲んで酔っ払いやがって、このバカ…ッ!」
生放送の歌番組もあっというまに終わり、弥生捺来と工藤央は帰り道を歩んでいた。
途中でお腹空いたという央の意見で、なぜか近くのカラオケに入り、空腹を満たしていたが、央が酒を飲んでしまったのだ。
おかげさまで、今の央はベッロベロ。
捺来は、真っ赤になった央を必死でおぶっていた。
「もー…。これ絶対、コイツの親に怒鳴られる」
顔も名前も知らない央の両親に怒鳴られるのを想像した捺来は、その想像を振り払った。
「なーつきくーん♪」
語尾にハートが軽く5つ位つきそうな甘ったるい声で、捺来の名を央は口にする。
捺来は、顔をゆがめた。
「キミのお兄ちゃんはやっぱ格好良いよぉ!あたしを紹介してぇ?」
お酒の力を利用した央に、捺来は呆れを見せた。
「おい、央!高校の駅前ついたぞ!こっから家先教えろ!」
「はぁ!?何それ、ストーカーするつもりぃ!?」
捺来の眉間にシワが寄る。
「チッ。何でそうなるねん…。おい、携帯貸せや!如月さんに連絡とる」
「今ねぇ、充電切れぇ」
キャハハと笑う央に、苛立ちのピークはもう既に迫っていた。
「お前!いい加減にせんと、ここでしばくぞ!」