不良×依存症
「……アンタに何が分かるん」
「……ッ」
陸は唇を強く噛みしめた。
「弥生さん、また会えますか!?」
捺来は目を大きく開いた。
どういう事だ。
また、俺に会いたいとでも言うのか。
「……あかん」
「………ッ、どうしてですか!?」
陸は、震える手を必死におさえる。
今までずっと、捺来に謝りたかったのだ。
その気持ちが、行動にでる。
「…夢に向かう奴に、用はない」
陸は何もいわなかった。
……いや。
何も言えないのだ…。
陸は捺来の過去を把握していて…。
捺来の夢も、すべて知っているわけで…。
でも、その夢を挫折せざるをえなかった彼に、陸は何もいえなかった。
「まって!」
進もうとする捺来を陸は必死でとめる。