不良×依存症
「何」
「捺来さん…、俺は…夢に向かって必死に突き進んでいます!あなたがいたから、今の俺はいるんです…!」
陸の目頭が熱くなり、瞳が輝きを放った…。
「だから…もう一度…」
「いいよ。もう一度野球しても……」
捺来が意味ありげに笑う。
陸は驚きのあまり、声をあげる。
「えっ…」
「ただし条件がある」
…条件が何でもかまわない。
弥生さんと、マウンドに立てるのなら……。
しかし、条件とは思ったよりも衝撃的なものだった。
「野球と央…どっちか1つを選べって言われたら…どっちを捨てる?」
捺来は、上唇をなめ、どうだというように鼻で笑った。
「…えっ」
陸は顔が真っ赤になった央を見る。
陸の背中で、心地よさそうに眠る央に、胸が締め付けられる。
「選びきれないだろ?夢と恋なんて、両立できるわけねえだろうが」
「……」
「いずれはどっちか1つを捨てなきゃいけないだろう。今のうちに、央を捨てたほうがいいと思うけど」