不良×依存症
「安西君の気持ち揺さぶって楽しい?」
「意味わかんないよ。っていうか、陸は本当にあたしの事が好きなの?」
あたしがそう言った瞬間、明菜が驚いたような表情を見せた。
「態度で分かるでしょ!学園祭一緒にまわろうって、異性に誘うのはその感情があるからでしょ!」
「でも、陸はあたしの事スキじゃないって言ってるじゃない」
「あんなのただの照れ隠しでしょ!さっさと付き合いなさいよ」
え、付き合う?
誰と誰がぁ?
「あたしと陸がぁ?」
おかしすぎて、鼻で笑っちゃう。
「アンタねぇ…、どうせ好きな人いないんでしょ?」
好きな人…?
「いるとしたら、桜庭海斗かしら」
「ああ。あんなの例外」
っな!
桜庭海斗をバカにしたなあ!
「どうせ、いないんでしょ?」
「ふん、いませんよ。すいませんねぇ」
あたしはそっぽを向いて、準備にとりかかった。
最近のあたしは、一人が苦手だ。