不良×依存症
「どしたんですか?雪さん」
あたしが雪さんの身体を揺さぶっても、雪さんは表情すら変えようとしない。
…彼を見たまま、硬直。
………、まさか。
雪さん、蓮兄というご立派な彼氏がいるにも関わらず、あの彼に一目惚れ…!?
あぁ、でもちょっと分かるかも。
「でも雪さん、彼はあたしが…、えっ!?」
驚いたのは他でもない。
今まで隣にいた雪さんがいないからだ。
キョロキョロ辺りを見渡してみると…。
……えっ、いた。
しかも、あの彼と話をしている!!
ありえない、ありえない、ありえないわ!
蓮兄がいながらも、あたしの恋を奪い取ろうとしているの!?
あたしは怒りを含む表情で、2人の所まで大股で向かった。
「雪さん!」
「あ、央。」
あんたいつからいたの?とでも言いたげな顔であたしを見つめた。
「…え、誰?みいの子供?」
彼が雪さんに向かって、そういった。
……"みい"?