不良×依存症



「よきライバル…?」


あたしは首をかしげながら、続きの記事を読む。



【それは同じ学年の弥生捺来(14)。

彼は、小学生の頃から野球を始め、期待のエースとして幼い頃から有名だった。

来年度の尚院中学は、とても強豪チームと化するに違いない…】



「やよい……な…つき」


それは紛れも無くなっちゃんの名前だ。


本当になっちゃんは野球部だったんだ…。


しかも、明らかに強そうな雰囲気だ。


新聞上でもわかる。



「おーはよ、央」


目がまだちゃんと開いていない状態の陸が、あたしに声をかけた。


あたしはなぜか、反射的に新聞を隠してしまう。



「あっ、おはよ」


「勝ったよ」


「へ?」


陸が突然、訳の分からない言葉を言い出した。



「えっ?ああ、甲子園の予選…」


陸が補足をつけたす。


「ああ、なるほど」


「…なんだ、少しは心配してるかと思ったのにさ…」


そう言った陸の顔が一瞬にして、暗くなった。



「ごめんごめん。あたし、今忙しいのよ。」

< 146 / 346 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop