不良×依存症
「よきライバル…?」
あたしは首をかしげながら、続きの記事を読む。
【それは同じ学年の弥生捺来(14)。
彼は、小学生の頃から野球を始め、期待のエースとして幼い頃から有名だった。
来年度の尚院中学は、とても強豪チームと化するに違いない…】
「やよい……な…つき」
それは紛れも無くなっちゃんの名前だ。
本当になっちゃんは野球部だったんだ…。
しかも、明らかに強そうな雰囲気だ。
新聞上でもわかる。
「おーはよ、央」
目がまだちゃんと開いていない状態の陸が、あたしに声をかけた。
あたしはなぜか、反射的に新聞を隠してしまう。
「あっ、おはよ」
「勝ったよ」
「へ?」
陸が突然、訳の分からない言葉を言い出した。
「えっ?ああ、甲子園の予選…」
陸が補足をつけたす。
「ああ、なるほど」
「…なんだ、少しは心配してるかと思ったのにさ…」
そう言った陸の顔が一瞬にして、暗くなった。
「ごめんごめん。あたし、今忙しいのよ。」