不良×依存症
また野球をさせる自信ならある。
「陸がこんなに酷い人だとは知らなかった!あたしよりも、なっちゃんの事知ってるくせに!」
そして。
「なっちゃんの過去だって全部把握してるくせに!」
もう、いい。
「夢に向かう人に、夢を捨てざるをえなかった人の気持ちなんて知る筈がないんだ」
「央…っ」
教室から出ようとしたあたしの腕を強く掴む陸。
その手を、あたしは強く振り払った。
「捨てれる?野球を…」
感情がむき出し状態のあたしは、一体何を言ってるのだろう。
陸の瞳が一瞬にして、大きくなる。
「もう2度とあたしに近付かないで。それが嫌なら……」
陸の喉が、動く。
「野球をやめる覚悟でいてよね」
あたしはばかだ。
何を言っているのだろう。
期待の星を…。
今、潰そうとしているあたしは、なっちゃんを落とした奴と同レベルだ…。