不良×依存症
あたしが頷くと、なっちゃんの目の色が一瞬にして変わる。
「お、お前なぁ…!!」
なっちゃんが強引にあたしの腕を掴む。
だけど、なっちゃんはあたしの母親の存在に気付くと、腕を即座に離す。
「話したい。とりあえず、中入れて」
「……うん」
明菜と酒巻もいるけれど、3人共用件は一緒なのだ。
ここでなっちゃんを合流させても、変わらないだろう。
なっちゃんを2階にあるあたしの部屋へと、促す。
「……あっ」
自分の部屋のドアを開けた瞬間、明菜と酒巻の声が漏れた。
あたしの後ろにいるなっちゃんの存在に気付いたようだった。
「どうも」
なっちゃんも驚きを隠せない様子で、酒巻と明菜に挨拶を交わす。
「お前…!陸の事なんてそっちのけで、その西の男と…!」
酒巻が唇を噛みしめて、あたしを睨みながらそういった。
「陸は、部活サボッてまでアンタのいう事聞いたのに…」
明菜も怒る。
だけど。
「ああ。安西陸なら、俺が学校まで送りましたよ。」
なっちゃんが、淡々とした口調でそういった。
「……へ?」
あたしを含めた3人は、首を傾げた。