不良×依存症


なっちゃんの問いかけに、酒巻と明菜が視線をあたしからなっちゃんへと向けた。



「でもさ、これって安西と央の問題だよな。そんな一方的に央を責めても何も解決できなくね?」


なっちゃんの言葉に、酒巻と明菜が顔を見合わせる。



「でも、一方的に央が悪いんすよ?」



……そう。

あたしが悪いの。


酒巻の言葉に自ら頷いた。


「果たしてそうなのだろうか」


なっちゃんが頬杖をつきながら、首を傾げる。


どういうこと?


酒巻がなっちゃんに対する目が変わった。


「央が悪いに決まってんじゃん。だって、野球やめれって…」


「その央が野球やめれって怒鳴るには理由があるわけだろ?」


なっちゃんは、あたしを庇ってくれているのだろうか…。


「……ッ」

なっちゃんの言葉に、酒巻が言葉に躓いた。



「だってさ、突然マジで野球やめんと話かけんな!って言うわけないやん?その央の怒鳴りがあるまでには仮定があるわけだ」



「でも…」


「実際、安西が泣いた理由はそれやんね。怒らせた自分が醜い言うて、ずっと泣いてた」



「でも、野球やめろはないと思います!」


酒巻が立ち上がる。


酒巻がこんなにも陸を思うってことは、2人の友情は固いと感じた。
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