不良×依存症


あたしの愚痴なら、別に言われてもかまわない。


だけど。


本気で好きになった人の愚痴を言われるのはごめんだ。



明菜と酒巻は、あたしを見ては驚きで隠せない様子だった。


無理もない。


だって、あたしは学校で1,2を争う程の強がりなのだ。


勿論、人に涙を見せるなんて滅多にない。



そんなあたしが今、ここで大声でないているのだ。



「何を言われたか知らんけどよ」


なっちゃんが静かにそう言った。


「会いにいけよ」


「……うん」


嗚咽を漏らしながら、精一杯声にだした言葉だった。



「でもあたしは陸を許せない…。なっちゃんの過去を把握していて、あんなに酷い事を言ったんだ……!!」


うわーんと小さな幼児が泣くように、激しく泣いた。



「俺……?」


なっちゃんが首を傾げる。



「陸は…ッ、陸は、なっちゃんの事憧れとか言ってたくせに、弱者とか言って…!信じられなかったの…ッ!」


それに…。


「陸にだけは、それを言ってほしくなかった…」



あたし達は、まだ幼くて。


まだまだ小さい、未熟者。
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