不良×依存症
「ん、だから…」
陸は口ごもる。
来いよ
そうはっきり言われたら、行くしかないじゃない。
「場所は?」
「へ?」
「だーから!場所はって聞いてるじゃない!」
あたしの声に陸は、一瞬にして笑顔になる。
「え、マジで!?きてくれんの!?」
陸の瞳には、輝きに満ちていて、一昔前の少女漫画のキラキラの瞳のようだ。
「…決勝戦は、行くよ。だから、決勝までは登りつめてよー!」
「うん、絶対決勝までいく!打たれない球を投げないとなー!」
「そうだよ!そして、ウッターも頑張って!」
あたしが自信満々にそう言うと、陸は突然笑い出した。
な、なによ。
失礼な子!
「んは、ウッターかぁ。いっとくけど、バッターだかんね?」
「陸、打順は!?」
「8番!」
あたしと陸は、立ち上がり、ハイテンションで高い声で喋り続けた。
昨日のことなんて、もう忘れたように。