不良×依存症
蓮兄は、明らかに不機嫌丸出しの顔を浮かべていた。
その顔、桜庭海斗の話題が出るときと同じ顔だよ…?
「てか、お兄ちゃん雪さん知ってんの?」
「ん?あぁ、教え子だし、それにアイツの彼女だしね」
お兄ちゃんはテーブルにおいてあるコーヒーカップを手に取った。
そうか。
お兄ちゃん、教師だっけ。
「え、何年ぶりよ!?てかてか、何の話してたの?」
雪さんのハイテンションぶりにだけは、どうもついていけない。
……陸のテンションには、ついていけるのになぁ…。
「…甲子園予選の話だよ」
「あ、そかー。ん?甲子園って何?」
………。
雪さん、それマジで言ってんの?
「お前、うぜーよ。上行くぞ」
蓮兄が雪さんの腕を掴み、2階に連れて行こうとした。
が。
「え、蓮と2人きりとか、何されるかわかんねー」
雪さんは、蓮兄の腕を振り払い、お兄ちゃんの向かいの席に座った。
れ、蓮兄…。
「お前等、結婚しないのか?」
お兄ちゃんが向かいの席に座る雪さんにそう言った。