不良×依存症
お客…つまり依頼人の、服装が酷すぎる。
なんか、イマドキかけないだろ…というダサーいメガネに、暑苦しい髪の毛。
顔が、髪のボリュームに負けて、よく見えない。
服装も、いつの時代の人?といいたくなるような服。
お世辞にも、かっこいいとはいえないような人だ。
んー何というか…。
一言で言えば、秋葉原にいそうな男性…?
秋葉原行った事ないから、わかんないけど。
まぁ、そんなイメージだ。
だけど、蓮兄はその男性のことを知っているようだった。
蓮兄とは、無縁といっても過言じゃないほど、不釣合いなのに…。
「あー、じゃあ、奥の部屋で待ってもらってもいいですか」
男は頷くと、蓮兄が促した方向へと進む。
「……借金なんだって」
車のついた椅子で、素早くあたしの方向へ移動する雪さんがあたしに耳元で囁いた。
「…借金?」
仕事のときの雪さんは、黒縁メガネをお洒落にこなし、まさに"できる女"だ。
「そう。親が作った借金の問題で、蓮を雇ったんだ」
「え、いくらなんですか?」
金額をきくのは、失礼かと後悔したのは、言った直後だった。
借金だなんて…。
そんなのつくったことないから、その言葉にはあたしは無縁だ。