不良×依存症
「いくらだったからは、覚えてなかったけど、億単位だったはず」
「お、億ですか!」
あたしと雪さんは、小さめな声で喋る。
雪さんの提供してくれている情報は、間違いなくプライバシー侵害だ。
まったく、この人は。
まぁ、聞いたあたしも悪いっちゃぁ、悪いんだけどさ。
「央…、お茶もってってあげな」
「あ、はいわかりました。」
お邪魔してるんだから、それくらいはしないといけないかな。
あたしは立ち上がり、お茶をコップに注ぐ。
コーヒーがよかったかな。
…でも、つくるの面倒だしな…。
あたしは、2つのコップをお膳におき、部屋へと持っていく。
うーん。
なんだかあたし、きゃりあうーまん、みたい。
「失礼します」
ドアを数回たたき、部屋にはいる。
そこには、おもーい顔をした蓮兄と、男性が真剣に語り合っていた。
「そうか…。残りはいくらなんですか」
残り…。
借金返済の残り金額のことね。
なんか、今、いい気分。
雪さんから、メガネかりて、きゃりあうーまん、気取りしちゃおっかな。