不良×依存症
「いや…。もう終えたんですよ」
あたしは、机にコップを静かに置いた。
すごい…。
1億という大金を、もう返したなんて…。
「…じゃあ、僕は必要ないのでは…」
「……いや。そのことじゃなくて……」
え、お金のことじゃない?
どういうこと?
「うん?事務の方からは、そう存じ上げましたが」
「あ、はい…。それは嘘です。」
う、うそぉぉ?
てめー、そんなだっせー格好してるくせに、蓮兄を騙すとは…!
この妹が許さないよ!
あたしは男性にバレぬよう、威嚇する。
「は、はぁ…」
さすがの蓮兄も困っているようだ。
「で、あのこの子は…」
男性が、あたしをチラチラ見て、蓮兄にそう言った。
あ、邪魔…的な?
「央!お前、いつまでいる気だ。そこに」
「…え、だって。一億の借金って…」
「いちいち、突っ込んでくんな!」