不良×依存症
怒らりた…。
蓮兄があたしの服を掴み、自分の方向へグイッと引き寄せた。
「あと、雪は絶対呼ぶな。用があるのならば、お前挟むよう言ってくれ」
「何それ。雪さんのパシリになれとでもいうの?」
「まー簡潔におさめるとそうだね」
えー…。
雪さん、調子のるー。
最終的には、北海道で時計台を写真におさめてこいとか、言いそうだ。
「……でもなんで?」
「だーうるさいな。今仕事中だから」
蓮兄は冷たい視線をあたしに突き刺し、男性に目線をかえた。
「すいませんねー。うちの妹が」
「いや、全然…。」
あたしは男性に目線を向けた。
すると、男性の瞳があたしの目と合った。
うん…?
あのボリュームのある髪型に隠れている瞳は、あたし…どっかで見た事あるような気がするなぁ。
……なっちゃん?
なっちゃんの目に似ている。
……お、落ち着け自分。
なっちゃんなわけないじゃないか。
こんなところまで、なっちゃんを持ってくるのはやめよーよ。