不良×依存症



そ、そうだよ。


そういえば、なっちゃんはもっと冷たくて怖ーい視線を投げかける。


そして、目が悪いのか知らんけど、ものすごーく睨んだりもする。


だけど、この人の瞳は何だろう…。


優しくて。


瞳の奥にお花畑でも広がっていそうだ。


そして、服と髪型がそれを邪魔している。


非常に、もったいな……



うん?


あたしは男の顔をマジマジ見つめた。



「おい…央。邪魔!」


蓮兄の言葉なんて、完全無視。


やっぱり、あたし…。


この人とどっかで会ったことある…。


優しい瞳のくせに、どこかなっちゃんの目に似ている。


そして、隠れた顔は、どこかなっちゃんの面影がある。



…いや。

この人は、あたしの…。



「すいません。間違ってたらごめんなさい。桜庭海斗ですか?」



あたしがそう言うと、2人は言葉に躓いた。


瞳を大きく見開いて、あたしを見る。



「……どうして、分かったんですか」


男性が、重い口を開いた。

< 193 / 346 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop