不良×依存症
告白
* *
夏休み、月日が流れるのははやいものだ。
なっちゃんに会えない日々が続く中、あたしはつまらない生活を送っていた。
「…勝ったよ!勝ったよ、央!」
電話の向こうから、聞こえる陸のハイな声にあたしの耳が痛くなる。
もー。
あたし、眠っていたのに!
「ぉめでとぅ…」
「あ、眠ってた?今、何時だと思ってんだよ」
あたしは陸にそういわれ、時計を確認する。
「わっ、3時」
「もう15時だぜー。目覚ませよなー」
電話口から、陸の笑い声が聞こえる。
「最近、夜型でさぁ。ゲームばっかしてんの」
「最悪だな。もはや、女の欠片も見つからない」
「野球知りたいなって思って、プロ野球選手がでるソフト買ったんだ」
「あー。昔ハマッてたなぁ」
「へへっ。おかげでプロ野球は12チームあって、セリーグ、パリーグに分かれてるってのも知った」
「今頃ですかいな」
相変わらず、陸とは会話がはずむ。
あたしと、陸って本当相性があうみたい。
「勝ったのをさ、一番教えたくて、お前に今電話してる」
「そっか」