不良×依存症
「ていうか、俺がお前を探しきれない!遠い!」
「別に探さないで、ゲームに集中しなさいよ」
あたしは、欠伸をひとつした。
今、陸はどこにいるんだろう。
準決勝終わって、すぐかけてきたのだろうか…。
「お願い…。わかった、金は出すよ。俺が出す」
「いいよ。兄貴から借りるから」
蓮兄…かしてくれるだろうか。
まぁ、今お兄ちゃんも帰ってきてるから、お兄ちゃんからかりたほうが早いかも。
「陸、頑張ってね」
「…うん。ありがとな」
「で、切っていいの?」
「はぁ?待ってよ、もう少し」
焦る陸がかわいくって、つい意地悪したくなるあたしはSなのだろうか。
「央…。決勝戦が終わったら、待ってて?話がある」
「話って?」
告白、か?
ありそうなパターンだな。
ロマンチックだ。
あたしの告白なんて、告白の雰囲気でもないときにしちゃったもん。
それで、フラれておしまい。
しかも、自覚すらなかったのに、無意識に告白しちゃったという。
前代未聞の告白だったなぁ。