不良×依存症



いや、完璧告白だろう。



「ごめん。」


「え、何で?」


陸が謝る意味が分からなかった。



「好きになって、ごめん」



陸の低い声が、胸に痛く突き刺さった。


ドクンッと心臓が大きく波を打った。



「……え?」


声を絞り出すので精一杯だった。


好きになって、ごめん…?


「ずっと隠すつもりだった…。どうせフラれんのは、分かってるし。関係は崩れることだって目に見えてんだ」


陸にこんな思いをさせていたあたしは、酷い人間だなと思った。



「俺のキモチわかってた?」


「………」


何もいえなかった。


わかってた。


そういえば済む話なのに。



だけど、陸の気持ちを弄んだように感じるから、何もいえなかった。


どうして、こんなにも純粋な少年の気持ちをあたしは踏みにじってしまうような行為ばっかしてしまうのだろう。


気付けば、一粒の涙が頬を伝っていた。



好きになって、ごめん。

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