不良×依存症
離せない
* *
「あ、央ー!」
ユニフォーム姿の陸があたしに手を振る。
「陸、ごめん!遅くなった」
「いやー全然。さっき寝起きだったんでしょ?寝癖、むくみ顔で来られちゃあ困るもん」
「何それ、さいてー!」
あたしは陸を叩いた。
「痛い、痛いって!」
「まぁいいや。ここ入ろうぜー」
陸が喫茶店を指す。
あたしと陸は喫茶店に入り、店員に促され、席に座る。
あー何の話すればいいかわかんない。
「てか、お前、マジ中継見てなかったんだよなー」
「うん。寝てた、爆睡よ」
「ははっ。でけー口あけて、すげーいびきかいて?」
陸が馬鹿にしたように笑った。
「さいてー!それ、好きな子に対する態度ー?」
あたしがそう言った瞬間、陸が飲んでいた水を吹き出した。
はっ。
あたしもハッと、気付いた。
ばかだ。
謝ろうとしたのに、また状態を悪化させてしまった。
「ご、ごめん…」
「あ、謝んなよ」