不良×依存症



あたしがそう言うと、陸は進める手をとめた。


そして、硬直。



……あらら。



「む、無理だよ。そんなの今聞いたら俺、明日投げられんわ…。まぁ返事の言葉なんてもう目に見えてるけど」



「明日に影響あるなら、やめとくね」


あたしも、今日初めてご飯を食べた。


朝食なしの昼食だなんて、夏休み入ってしょっちゅうある事だ。



ていうか、もし陸があたしに告白したら、あたし達の関係はどうなるのだろう…とシミュレーションまでしたのに、この普通さ。



何だ、関係崩れるどころか、もっと良くなってるんじゃない?



「あ、大丈夫?…今、のん気に食事とったりして」


「ん?ああ、大丈夫。今だから言うけど、部長に告白してきますー言うたら、さっさと行けって言われたわ」


「何その部長。変だね」


おかしくてつい笑ってしまう。


まぁ、告白してきますーなんて言う陸もどうかと思うけれど。



「いやー…。俺が恋してるって、実は部員全員知ってるんだよ」


「んー、だろうね。だって、陸分かりやすいもん」



あたしがそう言うと、陸は口に運んだパスタを入れたまま、そのまま硬直。


また、固まっちゃった。

今度はあたしの言葉の何がいけなかったのだろうか。



正直、今回わかんねー。


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