不良×依存症
「待ってよ…?お前、俺が告る前から、俺の気持ち知ってたの?」
…それ。
さっきも、電話で同じようなことを言われたような気がする。
「…陸の行動、言動で大体は…」
「んはー。そっかぁ。」
陸は意外にも、笑顔の表情をあたしに見せた。
「うん、自覚はなかったんだけどさ、すっげー好き丸出しだったんでしょ?」
「……そうだね」
「だって、すぐ嫉妬しちゃうもん。女々しいよなぁ、本当」
陸は腕を伸ばし、のんきに欠伸をひとつする。
「でもさ、恋ってそれが当たり前なんだと思うよ」
あたしだって、なっちゃんが他の女性と喋ってると、ものすごい嫌な気持ちになって嫉妬しちゃって、自分自身が物凄く嫌になる。
恋をしてしまった時点で、もう今までの自分がいなくなるんだ。
「あたしだって、今まで恋の相手はずっと桜庭海斗だったんだ。だけど、なっちゃんと会って、これが本物の恋なんだって思ったよ」
「……うん」
今の、言ってはいけない言葉だっただろうか。
あたしは、言った後に後悔してしまった。
「弥生さん、性格すっごい変わってるよ」
「え?」
あたしは陸の言葉の理解ができなかった。
「中学ん時は、すっげー優しかったんだ。今みたいに、冷たくなかったし、毎日笑っていたよ…。……いじめがあっても」