不良×依存症
* *
「えー、嘘くさ!」
彼の話を聞いたあたしの第一声がコレ。
隣に座る蓮兄に、酷く睨まれてしまった。
つーか、眠いんだけど。
あたしは壁にかけられてある時計に目をやると、針は10と4を指していた。
22時20分…。
あぁ…、今話題の連続ドラマの初回がもう始まっている…。
「…その、肩にぶつかってきた男の特徴ってある?」
蓮兄が弥生捺来を見ながら静かにそう言った。
「…特徴…。あ、東高の制服やった」
……東高。
あたしの目が再び、弥生捺来を捕らえた。
「お前、嘘ばっかついてんじゃないよ!由緒正しき東高の生徒がそんな事するわけないじゃん!」
あたしは弥生捺来を指しながら、叫んだ。
ちなみに東高とはあたしが通う超難関学校だったりする。
あたしはやっぱり兄が弁護士だったり、頭が良いのが唯一の取り得だ。
「何やねん、あんたさっきから。」
弥生捺来が怒りを超え、呆れながらあたしを睨む。
「それは、確か?」
蓮兄の問いかけに、弥生捺来は首を縦に頷いた。