不良×依存症
すると、陸とバチッと目があった。
まーじかい!
まさか、目があっちゃうとは!
すると陸は、あたしに向かって手を振り返す。
しかし、背中に『2』とかかれた人に頭を殴られ、すぐに目はそらされた。
「アイツ馬鹿じゃねーの。緊張してねーのか」
なっちゃんが、腕も足を組みながらそう言った。
「それが、陸っすよ。いつでもどこでも、央、央なんすよ。」
酒巻があたしの隣にいるなっちゃんに言った。
明菜、酒巻、あたし、なっちゃんの順で座っているもんだから、酒巻の頭が視界を邪魔してくる。
「……あぁ」
なっちゃんは酒巻から視線を外し、球場に目をやる。
「東が最初か……」
現在、何か相手チームのピッチャーが球を投げている。
う、うわっ。
向こうのピ、ピッチャー…だっけ?
ピッチャー球投げてる!?
球、見えない!!!
「なっちゃん…、球がない!素振りの反対バージョン?」
「意味わからへん…。ちゃんと、投げとるわ」
え、えええ!?
この試合、勝てるの!?