不良×依存症
「おい、こんなとこで女子高生口説くなよ…」
深波さんが呆れるように笑った。
「…多分、顔見たら思い出せる」
この一言が蓮兄に火をつけることとなった。
「あぁ。なら、央。捺来君を東高に入れてやれ」
「のぁ!?」
蓮兄の言葉にあたしは、胃から何かが逆流してきそうだった。
「蓮兄、何言ってんの。東高は警備体制が半端ないんだよ?それなのにこの不良が入れるわけないじゃん!」
「俺は不良やない!」
「どっからどう見ても不良じゃん!」
「はあ!?」
頭に血がのぼり、つい我を失うが弥生捺来の隣に座る桜庭海斗を見てはあたしの顔は真っ赤になる。
こんなはしたないトコ見せられない…。
「…でもさ、万引きごときで裁判とか起こせないよね?」
自分を落ち着かせて、蓮兄に問いかけた。
「何言ってんだ?万引きなんて窃盗罪で立派な罪だぞ。裁判だって起こせるし」
蓮兄は、弥生捺来をチラッと伺うとまたあたしの方へ目を向けた。
「窃盗罪は、懲役10年または50万円以下の罰金が科せられる。」
「えぇっ!?」
驚いたのはあたしと弥生捺来。
万引き…だけで?