不良×依存症
あたしは酒巻に向かってそう言った。
何か、なっちゃんがさっきから四番は強いとか何たら言うから、そんなイメージがついたみたい。
「うん、四番打者はそのチームの中で一番強打者の場合が多いんだ。だから、ホームランをめっちゃ打つ確立が多いんだ」
「へぇー」
じゃあ、四番打者ってもしや陸じゃない?って期待もあったけど、陸じゃなくて先輩だった。
「何だ、陸じゃなかったんだ」
何か、頭がクラクラする。
あー遅寝早起き朝飯抜きの昼食も食べてないからかな…。
四番打者が構える。
まって…。
「な、なっちゃんた、助けて」
「何やねん、また嘘か?」
だるい。
きつい。
あたしは元々、新陳代謝が良くないはずなのに、今までかいたことない大量の大汗が生じた。
「い、いやなんでもない」
元々人混みがあたしは苦手なのだ。
多分、一時的なものだろうし、観戦に熱中してればそんな事すぐ忘れるだろう。
「うおー!」
みんなが大声をだした。
急いで球場に目をやると、ボールが物凄く高く飛び上がっていた。