不良×依存症
「あ、あ!ホームラン!」
四番打者が、ボールを打ったらしい!
「いや、まだわからへん」
でも、あんなに高く飛び上がったら、反対側の観客席についちゃうよ。
てか、あんなに遠く打つことができたんだからたとえライト?レフトだっけ?まぁ、その人たちがキャッチしたとしても、パスが遠すぎて、セーフだろう。
絶対!
「さすが、レフト」
なっちゃんがそう言った後、周りのみんなが悔しそうな顔を浮かべた。
「アウトやん、チェンジかぁ!」
酒巻がそう言った。
「え、どういうこと?」
「ん?」
「だって、遠くに投げたじゃん。セーフじゃないの?」
「あぁ、ノーバンでレフトがキャッチした。ノーバンでキャッチすると、ベースに投げなくてもその場でアウトになるんだ」
えええええ。
そんなルールあんの!?
ノーバンって、ノーバウンドってことだよね…?
得点板を見ると、0点だった。
ま、まぁ、誰もホームベースに戻ってきてないからね…。
「あ、央。マウンド見てみろよ、陸がいるぞ!」
「えっ、マウンド!?マウンドって何!?どこ!?」
…あたしに野球用語使わないでよねーー。