不良×依存症
「初めて言葉を交わす人に、可哀相とか言わないでよね!」
「いやー、関西人だからよ、嘘はつけんねんなー」
え、関西人って嘘つかないの?
じゃなくて!
「知らんよ!そんなの!慰謝料払ってよ!」
「何でやねん!あほか!その顔に、見舞い金払ったるわ!」
み、見舞い金?
それ、あたしの顔がブサイクとでもいいたいのー!
でも…
「おっ、兄さん金払ってくれますのん?なんぼ、なんぼ?」
あたしは、安西陸の腕を掴み、上下に揺らした。
まるで、おもちゃ買ってーやーとねだる幼稚園児のように。
「ぼちぼちでんな」
あたしと安西陸は顔を見合わせ、笑いあった。
「のってくれる人、こっち来て初めて会うたわ」
安西陸がそういいながら、目をこすった。
どうやら、笑いすぎて涙がでたらしい。
「んはっ、まじで?やっぱ、あたし前世関西人だと思うのよー」
「あぁ、わかる。絶対そうやね」
あたしと安西陸は、物凄く盛り上がった。
これが初めて交わした言葉なのに、まるで前から友人かのように笑いあった。
そして、それからずっと教室でも2人でバカやってあっというまにクラスの人気者という位置までたどり着いてしまった。