不良×依存症
* *
ふっと目が覚めると、そこに映る景色は、真っ白。
……真っ白な、、天井?
「あ、起きた…」
突然落とされた声に驚き、声が聞こえた方向に目をやった。
「…な、なっちゃん」
あ、そうか。
あたし、倒れたんだっけ。
上半身を起き上げようとしたが、なっちゃんによってとめられた。
「今は起きんな…。寝てろって」
「あ、うん」
あたしは布団を鼻まで深く被り、赤くなる顔を隠した。
「貧血…だってよ」
「ま、まじっすか」
ひ、貧血だなんて、生まれてこの方一回も起こしたこと無いよ。
「あぁ…、まじびびるわ…。いきなり倒れるし…」
「ごめん……」
なっちゃんが傍にあった椅子に腰をおろした。
……ずっと、立って心配してくれたのだろうか…。
そう思うと、なんだか胸がキューって締め付けられる。
「おい、あれ見ろよ」
なっちゃんが後ろを振り向き、とある一点を指した。
そのなっちゃんの指した方向を見ると、そこには球場で繰り広げられている試合の生中継をやっているテレビがあった。