不良×依存症
「一人」
* *
あれからあたしたちは、何も会話することなく医務室から去った。
その時、酒巻たちと連絡を取り、内野席のチケット販売のところで待ち合わせをしたのだ。
放心状態のあたしは腰がぬけ、歩く事もできずなっちゃんにおぶられたままだ。
「……負けたの?」
「…ああ」
「どうして…、どうして負けたの!?あんなに頑張っていたのに…!」
なっちゃんの背中で泣き続けた。
「努力したら、実るんじゃないの!?実らないじゃない…!」
理性を失ったあたし。
本性剥き出しだ。
「あっ、いた…」
なっちゃんが酒巻と明菜を見つけて、近付いた。
「あっ…、捺来さん」
酒巻がなっちゃんを呼ぶ。
「陸…、相当ショックうけてるでしょうね」
明菜がポツリと呟いた。
「アイツ、多分予選で初めてホームラン打たれてるだろう…」
「そうっすよ…。今頃、めっちゃ自分責めてるに違いないっすよ…」
……陸、自分を責めているの…?
どうして…。
あんなに頑張ったじゃない…。